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ISBN:978-4-87424-293-3 (4-87424-293-6) C0081

ぷらとんとかんがえることばのかくとく

プラトンと考える ことばの獲得 - 成長する文法・計算する言語器官

定価(税込) : ¥2,592
表紙 著作者よみ : のむらやすゆき 
著者名 : 野村泰幸 著著書を検索
出版社 : くろしお出版 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2004年5月1日
ジャンル : 教科書
判型A5/266頁
本書では,「ことば」の獲得は「母語」あるいは「第1言語」の獲得を意味します。内容にユニークな点があるとすれば,次の二点と思います。
第一に,ことばの獲得ではもっともよく研究されている英語の世界ばかりでなく,ドイツ語のような他の言語も取り上げた点です。これは20世紀が生んだ天才的な言語学者にしてラディカルな知の巨人・チョムスキーの普遍文法の観点からすれば,まことに自然なありようと思います。この「普遍文法」という概念が本書を読み進める上でのキーワードです。
第二に,問題の捉え方に重点をおこうと努めた点です。チョムスキーの言語理論はますます抽象の度合いを高めてきています。そのため,日常生活のなかでやりとりされる「生きたことば」に強い関心を抱く人々にとっては一層遠い世界になりつつあります。しかし,この理論は抽象的な概念で組み立てられた精緻な知的ゲームではありません。「生物としてのヒト」という存在が私たちに突きつけている豊穣なミステリー,<ひとはどのようにしてことばを獲得するのか?>を解き明かすキーであり,このミステリーを解くことは壮大な知的企てと言っても過言ではありません。プラトンとの対話を通して,読者の皆さんがその企てに参加できればどんなにかすばらしいことでしょう。本書がそのためのささやかな一助となれば望外の喜びです。(まえがきより)

目次

1 ことば・普遍文法・獲得―ことばはどのようにして獲得されるか―
1−1 子どもと言語環境
  1.1.1 ことばを模倣しながら
  1.1.2 類推を重ねて
  1.1.3 誤りを修正されつつ
1−2 普遍文法
  1.2.1 内在化されたことばのシステム
  1.2.2  生物器官としての言語機能
  1.2.3 自然言語としての手話
  1.2.4 ヒトと類人猿
1−3 研究アプローチ
  1.3.1 発達のありようを観察する
  1.3.2 実験をとおして発見する
  1.3.3 言語入力と文法をロジカルに結ぶ

2 原理とパラミタのアプローチ―ことばの基本設計図とはなにか―  
2−1 文法の構成
  2.1.1 原理とパラミタのアプローチ
  2.1.2 文法を構成する下位システム
2−2 原理の体系
  2.2.1 Θ理論
  2.2.2 Xバー理論
  2.2.3   統率理論
  2.2.4 束縛理論
  2.2.5 格理論
  2.2.6 境界理論
  2.2.7 コントロール理論
  2.2.8 P&Pアプローチのモジュール・システム
2−3 パラミタと言語獲得
  2.3.1 パラミタとトリガー
  2.3.2 パラミタの意義
2−4 素性照合という操作
  2.4.1 言語計算の単位としての素性
  2.4.2 形式素性の削除
  2.4.3 抽象的概念と日常的語彙

3 子どもの文法からおとなの文法へ―文法の推移は連続的か―
3−1 文法の個体発生
  3.1.1 連続性仮説
  3.1.2 非連続性仮説
3−2 P&Pアプローチからみた幼児文法
  3.2.1 獲得初期の節 ― 英語の場合
  3.2.2 獲得初期の名詞句
3−3 節と句の並行関係
  3.3.1 定性と不定性
  3.3.2 素性の不完全指定
3−4 語彙の形態
  3.4.1 複数形態素
  3.4.2 複合語
3−5 素性と成熟
  3.5.1 不定詞の任意出現ステージ
  3.5.2 照合の唯一性制約

4 完成した文法と構築される文法―ケース・スタディ:ドイツ語の獲得―
4−1 二つの仮説
  4.1.1 完成した文法 ― 強い連続性仮説
  4.1.2  構築される文法 ― 弱い連続性仮説
4−2 幼児ドイツ語の節と名詞句
  4.2.1 文法的一致の獲得
  4.2.2 時制句の投射
  4.2.3 決定句の完成
  4.2.4 格の形態とVP構造の拡大
4−3 ドイツ語の特異性言語障害
  4.3.1 文法的一致が獲得できない
  4.3.2 動詞が末尾にある理由

5 母語を決定する要素―パラミタ化とはなにか―
5−1 パラミタ値の再設定
  5.1.1 再設定不可能なパラミタ
  5.1.2 再設定可能なパラミタ
  5.1.3 ヴァリアンのパラドクス
5−2 パラミタ値の変域
  5.2.1 境界節点のパラミタ化
  5.2.2 統率範疇のパラミタ化
  5.2.3 語彙範疇パラミタ化仮説
5−3 機能範疇が出現するまで
  5.3.1 機能範疇のパラミタ化
  5.3.2 出現以前が意味すること
5−4 機能範疇と失文法
  5.4.1 ブローカ失語症
  5.4.2 機能範疇の無指定

6 獲得をロジカルに考える―学習できるとはどういうことか―
6−1 言語獲得の二つの問題
  6.1.1 言語獲得の論理的問題
  6.1.2 言語獲得の発達的問題
6−2 学習可能性の理論
  6.2.1 ゴールドの極限同定
  6.2.2 チョムスキー階層
  6.2.3 学習プロセスの4つのコンポーネント
6−3 学習のためのストラテジ
  6.3.1 仮設言語と目標言語
  6.3.2 部分集合の原理
6−4 パラミタ値の再設定と部分集合
  6.4.1 境界節点
  6.4.2 統率範疇と束縛領域
6−5 言語入力の性質
  6.5.1 語順が非決定的である例
  6.5.2 形態が非決定的である例
6−6 トリガーとしての言語入力
  6.6.1 深度という概念
  6.6.2 境界節点と統率範疇
6−7 パラミタとトリガー
  6.7.1 トリガー学習アルゴリズム
  6.7.2 パラミタ曖昧性
  6.7.3 トリガー認識問題

著者略歴

大阪大学 教授
『現代ドイツ言語学入門』(共著)[大修館書店 2001年]
『ドイツ語の統語パラメタを求めて−多様性を生み出す原理−』日本独文学会研究叢書019(共著)[日本独文学会 2003年]
「言語獲得のためのキュー −ドイツ語の初期文法−」(『ドイツ文学』104,日本独文学会編 2000年)ほか多数。

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