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ISBN:978-4-7589-2160-2 C3080

にちえいごのたいひひょうげんとひていのめかにずむ

日・英語の対比表現と否定のメカニズム - 認知言語学と語用論の接点

定価(税込) : ¥3,960
表紙 著作者よみ : ありみつ なみ 
著者名 : 有光 奈美 著著書を検索
出版社 : 開拓社 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2011年2月25日
ジャンル : コミュニケーション・認知科学関連・人文社会科学
判型A5/304頁
日本語と英語の対比と否定に関する意味のメカニズムを、認知言語学と語用論の視点から論じる。認知基盤、身体性、環境との相互作用等を手がかりに、対比と否定性を認知図式で統合し、発話行為やレトリックまで扱う。

目次

はしがき

第1章 序 論
1.1. 否定と否定的意味
1.2. 論理学における対比と日常言語の否定性
1.3. 認知言語学の基本的枠組み
 1.3.1. 認知言語学の基本的枠組みと日常言語の否定性
 1.3.2. 認知言語学の基本的枠組みと対比
1.4. 語用論と日常言語の否定性

第2章 対比表現と否定の具体的事例
2.1. 否定語の機能と意味解釈
2.2. 否定接頭辞の機能,否定の強弱と意味解釈
2.3. 準否定語の機能と意味解釈
2.4. その他の擬似否定性を有する接辞
2.5. 二重否定文の構造と具体的事例
2.6. 部分否定文の構造と具体的事例
2.7. 否定文の構造と情報量
 2.7.1. ニュース英語と否定文
 2.7.2. 否定の有標性
 2.7.3. 否定表現の認知的側面と図と地の反転
 2.7.4. 否定の非対称性
 2.7.5. 肯定文に対する否定文の特徴と意義
 2.7.6. 否定文の婉曲性と非情報性(1)
 2.7.7. 否定文の婉曲性と非情報性(2)
 2.7.8. ニュース英語を扱った大学教科書の実例
 2.7.9. TIME誌からの実例
 2.7.10. ニュース英語と情報量に関する総論
2.8. まとめ

第3章 対比表現と否定の意味
3.1. 否定と否定的文脈
 3.1.1. 存在の有無と否定性
 3.1.2. 空間認知としての非明示的否定性
 3.1.3. 英語表現における空間認知に関する非明示的否定性
3.2. 日常言語の否定性と程度表現
 3.2.1. 否定極性項目と量的概念の関係
 3.2.2. 明示的否定性におけるat allと「全然」に関する着眼点
 3.2.3. at allと「全然」の対照研究
 3.2.4. 形態的否定性におけるat allと「全然」
 3.2.5. 肯定文におけるat allと「全然」
 3.2.6. NPIsと否定的文脈
3.3. 否定的文脈におけるat allと「全然」
 3.3.1. 「全然」以外のNPIsのふるまい
 3.3.2. 対話文に見られる「全然」
 3.3.3. 文中に「全然」の現れる環境
 3.3.4. 対話が与える否定的文脈
 3.3.5. 「全然」が現れる肯定文の環境
 3.3.6. at allが否定文以外で使用される場合の可能性
 3.3.7. 一語返答に見られるat allと「全然」の相違点
 3.3.8. 「全然」とアクセント,上昇調の有無
 3.3.9. 否定疑問文に対する日英の返答のふるまいの相違点
 3.3.10. まとめ
3.4. 否定とメタ言語否定
 3.4.1. メタ言語的否定
 3.4.2. 対比と否定の相違点
 3.4.3. まとめ
3.5. 反義語と類義語の否定の解釈
 3.5.1. 反義語の分類
 3.5.2. 対称の関係と反対の関係
 3.5.3. 先行研究
 3.5.4. さまざまな領域における対比
 3.5.5. 価値的か対象依存的か
 3.5.6. 前後の空間認知と行為の実現性
 3.5.7. 多様な対比表現と時間表現の関連
 3.5.8. 過剰一般化した日本語の否定関連表現とその動機付け例
3.6. 対比に関する英語接辞の認識とイメージスキーマ
 3.6.1. 空間概念に基づく英語接辞の認識とイメージスキーマ
 3.6.2. 内外の空間概念に根ざした英語接辞
 3.6.3. 上下の空間概念に根ざした英語接辞
 3.6.4. 遠近の空間概念に根ざした英語表現
 3.6.5. その他の接辞の空間認知
 3.6.6. まとめ
3.7. China-free(チャイナフリー)を中心とした接辞表現
 3.7.1. 「チャイナ・フリー」という表現の生まれた社会的背景
 3.7.2. 具体的報道と消費者心理
 3.7.3. 否定と対比に関する接尾辞の用例
 3.7.4. 「チャイナ・フリー」という表現の出現における動機付けとメタファー
 3.7.5. 「チャイナ・フリー」に見られるコンストラクション
 3.7.6. X-free,X-less,non-Xに関する一般化
 3.7.7. まとめ
3.8. 身体性を基盤とした方向性と否定
 3.8.1. tall-shortなどのオリエンテーション
 3.8.2. 先行研究
 3.8.3. 反義語の選択
 3.8.4. 生物の身体性に根ざした対比の方向性
 3.8.5. 量を表すために用いられる対比の方向性
 3.8.6. 話し手と聞き手の相互関係が影響する対比の方向性
 3.8.7. その他の慣用的用法
 3.8.8. 対比現象と否定の意味に関するまとめ

第4章 量から質へ,質から量への意味変化のメカニズム
4.1. 多い量と少ない量に関する日英語の表現
 4.1.1. 多い量における意味変化
 4.1.2. 否定的価値から量・程度の甚だしさへ
 4.1.3. 小さな量・程度と否定性に関する日英語の相違点
4.2. halfの多義性とその動機づけ
 4.2.1. 半分の概念と対比現象
 4.2.2. half/「半分」と解釈における認知的動機付け
 4.2.3. 先行研究
 4.2.4. 「半分」の量としてのhalf
 4.2.5. 「ほとんど」を表すhalf
 4.2.6. 日英語における類似の関連表現
 4.2.7. 関連データ紹介
 4.2.8. まとめ
4.3. 対比表現に見られる意味変化のメカニズム
 4.3.1. 対比とその非対称性
 4.3.2. 対比と意味変化に関する先行研究
 4.3.3. 完全性に基づく強意語「丸―」と程度の甚だしさ
 4.3.4. deadとaliveの対比を基盤とした強意語
 4.3.5. coldとhotの対比
 4.3.6. awfully, terribly, horriblyとdead, coldの相違点
 4.3.7. 完全性とは何か?
 4.3.8. まとめ

第5章 否定性を基盤とする発話行為
5.1. 幼児の心理発達と対比概念
 5.1.1. 幼児の心理発達における否定性
 5.1.2. 動物との行動比較
 5.1.3. 行為の視点から見た動詞の否定性
 5.1.4. 否定的発話行為とその解釈
5.2. 言語表現における拒否・打消と訂正・禁止
 5.2.1. 拒否
 5.2.2. 打消・訂正
 5.2.3. 禁止
 5.2.4. 禁止と否定の関係
5.3. Griceの格率への違反と笑い
 5.3.1. 語用論におけるGriceの位置づけ
 5.3.2. Griceの四つの格率
 5.3.3. 笑いとは何か?
 5.3.4. 「笑い」におけるプロトタイプからの逸脱とGriceの四つの格率
 5.3.5. まとめ

第6章 否定性の諸相と日常言語のレトリック
6.1. 婉曲表現のメカニズムと意味解釈
6.2. 皮肉のメカニズムと意味解釈
6.3. 嘘と否定に関する類似点と相違点
6.4. ルーストークと真偽性
6.5. 対比やズレに関する広告表現のレトリック
 6.5.1. コンストラクションからの逸脱・意味の反転の視点から見た広告表現
 6.5.2. 対比やズレに関する広告表現のレトリック具体事例:コンストラクション
 6.5.3. 対比やズレに関する広告表現のレトリック具体事例:意味の反転
 6.5.4. 広告とネーミングにおける婉曲表現と誇張表現:嗅覚の事例を中心に
 6.5.5. 否定性を利用した非プロトタイプ的英語広告
 6.5.6. 日英語の広告表現における新表現の誕生の認知基盤とその意味解釈
 6.5.7. 日英語の広告表現におけるメタ言語否定からズレの階層性へ
6.6. オクシモロンとは何か
 6.6.1. 日常言語のレトリックとオクシモロン
 6.6.2. 形式から見た代表的な日・英語のオクシモロン
 6.6.3. オクシモロンの形式による3タイプ
 6.6.4. 文レベルのオクシモロンに関する考察
 6.6.5. ことわざに見られるオクシモロン

第7章 結語と今後の展望

参考文献
索引

著者略歴

京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、東洋大学経営学部准教授。専門は、認知言語学、語用論に基づく英語と日本語を対象とした対比表現と否定のメカニズムに関する研究、英語教育。

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