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ISBN:978-4-7576-0991-4 C3395

じょうだいかようとぎれいのひょうげん

研究叢書535 上代歌謡と儀礼の表現

定価(税込) : ¥11,000
表紙 著作者よみ : ふじわらたかかず 
著者名 : 藤原享和 著著書を検索
出版社 : 和泉書院 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2021年3月23日
ジャンル : 韻文 - 上代
判型A5/372頁
本書の目的は、統治の基盤として『古事記』や『日本書紀』を必要とした古代の王権と、その儀礼や理念の中で当該歌謡が担った機能を明らかにすることである。歌謡をテキストから切り離して古代民謡の資料として扱ったり、反対に歌謡を含むテキストを頑なに外部と遮断して分析することではない。王権の拠って立つ環境の中で当該歌謡が担う機能や性質を明らかにすることこそが重要なのであり、そのためには歌謡をテキスト内部の表現として分析することに加え、テキストをとりまく歴史的、政治的、そして何より文学的環境の中にあるものとしてその表現の一つ一つを丹念に検証してゆく必要がある。場合によっては9世紀以降の文献を視野に入れることも有効である。これが私の姿勢であり本書の立場である。このような視点から本書では『万葉集』『琴歌譜』『延喜式』祝詞、伊勢内宮の遷宮に伴う歌謡等も採り上げた。書名を『上代歌謡と儀礼の表現』とした所以である。

目次

凡例と使用テキスト

序 本書の視点と内容
第1編 上代歌謡の表現
 第1部 上代歌謡論
  第1章 上代歌謡研究のこれから
    一、上代歌謡研究史
     ア、前近代
     イ、二〇世紀前半〜中葉
     ウ、一九五〇〜六〇年代
     エ、一九七〇〜九〇年
     オ、一九九一年以降
    二、これからへの提言
    附、『続日本紀』、『琴歌譜』、歌木簡
  第2章 古事記歌謡論
    一、はじめに
    二、独立歌謡論以前
    三、独立歌謡論
    四、『琴歌譜』一番歌と『古事記』九四番歌
    五、『琴歌譜』一番歌と縁記乙
    六、再び『古事記』の歌謡物語へ
  第3章 歌謡と芸能
    一、上代の歌謡や歌謡物語の芸能性
     ア、土居光知
     イ、益田勝実
     ウ、本田義寿
     エ、内藤磐
    二、歌われた上代の歌謡が果たした機能
     ア、『琴歌譜』
     イ、『続日本紀』
 第2部 『古事記』歌謡
  第1章 『古事記』二九番歌―大刀佩けましを 衣着せましを―考
    一、はじめに
    二、先行研究
    三、先行研究の検討
    四、「一つ松 人にありせば」表現
    五、「景行記」倭建命条の物語分析
    六、「天皇」としての行為
    七、おわりに
  第2章 『古事記』三三番歌「我が置きし 剣の大刀 その大刀はや」考
    一、はじめに
    二、これまでの学説
    三、問題の所在
    四、モチーフと表現の検討
     a、嬢子の床の辺に剣を置くことについて
     b、「剣の大刀」について
     c、「我が置きし」について
    五、結論―当該歌の機能―
  第3章 天皇の大御葬に歌ふ歌―倭建命から明治天皇へ―
    一、『古事記』に記された大御葬歌
    二、『古事記』以外には見えない大御葬歌
    三、諸注釈の誤謬とその原因
    四、明治天皇大喪儀に向けて作曲
    五、おわりに
  第4章 『古事記』五二番歌における敬語表現
    一、はじめに
    二、「下らす【玖陀良須】」についての先行学説
    三、考察
    四、五二番歌の敬語表現の意味するもの
    五、まとめ
  第5章 「仁徳記」黒日売の物語に見える「山方地」と「夜麻賀多」―地理的背景から―
    一、問題の所在
    二、先行研究とその批判
    三、吉備海部直の本拠地
    四、「山方」の必然性
    五、まとめ
 第3部 『日本書紀』歌謡
  第1章 秦造河勝と常世の神の歌謡
    一、はじめに
    二、歌謡研究としての先行学説
     ア、契沖
     イ、荒木田久老
     ウ、橘守部
     エ、太田水穂
     オ、相磯貞三
     カ、武田祐吉
     キ、土橋寛
     ク、坂本太郎・家永三郎・井上光貞・大野晋
     ケ、山路平四郎
     コ、鴻巣隼雄
     サ、土橋寛
     シ、小島憲之・直木孝次郎・西宮一民・蔵中進・毛利正守
     ス、福沢健
     セ、佐佐木隆
    三、時人の歌の表現の意味するもの
  第2章 日本書紀歌謡からみた斉明朝
第2編 王権儀礼と律令官人の表現
 第1部 王権儀礼と祭祀の表現
  第1章 『延喜式』巻第八「六月晦大祓」の祝詞に見える祓戸四神について
    一、はじめに
    二、問題の所在
    三、研究史
    A 平安朝末期〜明治末年
     イ 仏教、道教、陰陽道等大陸系の神(仏)格として説くもの
     ロ 皇大神宮や豊受大神宮の別宮、又はその祭神として説くもの
     ハ 『記』『紀』に見える神名に比定するもの
     ニ その他の神名等に比定するもの
     ホ 他の神名等に比定しないもの
    B 大正期以降
    四、私見
    五、結びにかえて
  第2章 宮廷及び伊勢神宮という制度
       ―天平一四年正月一六日の恭仁宮及び遷宮杵築祭における歌謡について―
    一、はじめに
    二、『続日本紀』の歌謡
    三、伊勢神宮の遷宮「杵築祭」の歌
    四、杵築祭の性質
    五、杵築祭歌謡の歌唱形態
    六、杵築祭歌謡の系譜
  第3章 伊勢内宮遷宮杵築祭歌謡の形成
    一、はじめに
    二、杵築祭歌謡
    三、先行研究
    四、先行学説の検討
    五、私見
    六、結語
 第2部 遣新羅使・武人の表現
  第1章 『万葉集』巻一五・三六八八番歌に見える「遠の朝廷」について
    一、はじめに
    二、先行研究(注釈史)
    三、先行研究の検討
    四、私見
    五、まとめ
  第2章 「海ゆかば」歌考
    一、問題の所在
    二、一三詔歌謡部と四〇九四番歌該当部の異同の意味
     ア、Dについて
     イ、Gについて
    三、異同D、Gの意味するもの
     ア、D「おほきみ」
     イ、G「のどには死なじ」と「かへり見は せじ」
    四、まとめ

所収論文初出一覧
索引(事項/神名・人名/研究文献・研究者名等/歌謡・和歌)

著者略歴

藤原 享和(ふじわら たかかず)
1959年 京都市に生まれる
1982年 同志社大学法学部法律学科卒業
1995年 甲南大学大学院人文科学研究科国文学専攻修士課程修了
1998年 甲南大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程単位修得満期退学
学位  修士(文学)(甲南大学)
    博士(国文学)(同志社大学)論文博士
現在  立命館大学文学部教授 同志社大学文学部嘱託講師
専攻  歌謡を中心とした上代国文学
著書(単著)『古代宮廷儀礼と歌謡』(2007年、おうふう)(第25回日本歌謡学会志田延義賞受賞)
  (共著)『古代祭祀の歴史と文学』(1997年、塙書房)、『歌謡 雅と俗の世界』(1998年、和泉書院)、『日本歌謡研究大系 下巻 歌謡の時空』(2004年、和泉書院)、『日本語日本文学の新たな視座』(2006年、おうふう)、『古事記の新研究』(2006年、学生社)、『奈良伝説探訪』(2010年、三弥井書店)、『古代から近世へ 日本の歌謡(うた)を旅する』(2013年、和泉書院)、『大和の歴史と伝説を訪ねて』(2016年、三弥井書店)、『世界神話伝説大事典』(2016年、勉誠出版)、『古代文学と隣接諸学 10「記紀」の可能性』(2018年、竹林舎) ほか
主要論文(著書未収録のもの)「『琴歌譜』一三番歌と縁記」(『文学・語学』228号、2020年4月)

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