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ISBN:978-4-7576-0990-7 C3395

しゅげんのえんぎのけんきゅう

研究叢書534 修験の縁起の研究 - 正統な起源と歴史の創出と受容

定価(税込) : ¥6,600
表紙 著作者よみ : かわさきつよし 
著者名 : 川崎剛志 著著書を検索
出版社 : 和泉書院 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2021年2月26日
ジャンル : 散文 - 中世
判型A5/224頁
顕教と密教から成る、三国伝来の日本仏教の正統の枠外にあった修験が、枠外から枠内へと転じたのは鎌倉後期とされる。現代の常識では理解しがたいその認識を成り立たせるために、平安後期から鎌倉後期にかけて、どのような創造的な起源と歴史が修験に求められ、現れ、伝えられたのであろうか。本書は、その代表例である『箕面寺縁起』『大峯縁起』『金剛山縁起』を取り上げて、個々の霊山の修造や相論を機に制作された縁起が広く認知され、修験の縁起として機能するに至る過程を分析するとともに、社会における修験の評価の変化に伴い、修験の祖師とされた役行者や天台宗寺門派の祖師智証大師の伝記が更新された跡を追う。

目次

序章

第一章 院政期における大和国の霊山興隆と縁起
  はじめに
  一 大峯・熊野の口伝・縁起の類聚
  二「一代峯縁起」の偽撰と『諸山縁起』の撰述
  小結

第二章『箕面寺縁起』――真言密教の血脈への加筆――
  はじめに
  一『箕面寺縁起』の概要
  二 箕面寺の信仰と縁起の出現
  三 大和国の霊山の更新
  四 密教受法者としての役行者
  小結

第三章『大峯縁起』――奉納された縁起――
 第一節 真福寺本熊野金峯縁起群と天理本系『大峯縁起』
  はじめに
  一 真福寺本熊野金峯縁起群の現存伝本
  二 六軸の概要と連関
  三『造功日記』一、同二、『役優婆塞事』の関係
  四 天理本系『大峯縁起』の伝本と概要
  五 真福寺本熊野金峯縁起群と天理本系『大峯縁起』との関係
  小結

 第二節『熊野権現金剛蔵王宝殿造功日記』という偽書
  はじめに
  一 本書の概略
  二 熊野造営・修理「功」
  三『中右記』抄の利用
  四「戊午」日の御参詣捏造
  五 初度熊野御参詣
  六 初度金峯山御参詣
  七 熊野本宮宝殿造営と「戊午」日の供養
  小結

 第三節『大峯縁起』の出現と奉納、奉納後
  はじめに
  一「大峯縁起」の出現
  二 相伝と奉納
  三 室町時代以降の寺門派の主張
  小結

第四章『金剛山縁起』――仏典に載る霊山――
 第一節 日本国「金剛山」説の成立
  はじめに
  一 興福寺僧による「談峯記」享受
  二 覚憲作『三国伝灯記』
  三『諸山縁起』所収「葛木縁起」
  四 建仁の金剛山寺修造
  小結

 第二節『金剛山縁起』の撰述と受容
  はじめに
  一 現存伝本と研究小史
  二 弘長の金剛山修造
  三『金剛山縁起』の構成と主張
  四 未出光童子出現
  五 修造のための縁起から史実へ
  小結

第五章 熊野御幸再興と笙窟冬籠りの詠歌
 第一節 熊野御幸の再興と勅撰和歌集
  はじめに
  一 熊野三山検校職の競望
  二 熊野御幸の再興
  三 御幸の詠歌の勅撰和歌集入集
  小結

 第二節 笙窟冬籠りの詠歌
  はじめに
  一 貴種の高僧の笙窟冬籠り
  二 勅撰和歌集における笙窟の和歌
  三 定家による行尊歌の受容と詠作
  四 貴種の園城寺僧による笙窟冬籠りの詠作
  小結

第六章 修験の歴史の創出
 第一節 智証大師の熊野参詣
  はじめに
  一 祖師伝の内と外
  二 園城寺僧行乗の所説
  三 熊野八講会
  小結

 第二節「当麻寺流記」の〈発見〉
  はじめに
  一 慶政手沢本『当麻寺流記』と「当麻寺流記」
  二「流記」出現の前と後
  三「流記」出現以前の縁起と寺伝、寺僧の語り
  四「流記」の〈発見〉という虚構
  五「流記」の主題
  小結

終章


引用テキスト一覧
初出一覧
あとがき
主要人名索引・書名索引

著者略歴

就実大学人文科学部教授。一九六二年、広島県生まれ。一九九〇年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得。文学修士。ハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員(二〇一八年)。第四二回谷口記念賞受賞(二〇一五年)。主な編著に真福寺善本叢刊『熊野金峯大峯縁起集』(臨川書店、一九九八年)、『修験道の室町文化』(岩田書院、二〇一一年)、『現代語訳 完本小栗』(信多純一先生との共著、和泉書院、二〇一四年)

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