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ISBN:978-4-7576-0975-4 C3381

めいじもとやくせいしょせいりつこう

研究叢書528 明治元訳聖書成立攷

定価(税込) : ¥12,100
表紙 著作者よみ : よしのまさはる 
著者名 : 吉野政治 著著書を検索
出版社 : 和泉書院 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2020年11月5日
ジャンル : 散文 - 近代・現代
判型A5/584頁
「全く国文の修養をおこたれる十数年前においてよくもかかる雅致の文をなししか」と上田敏を驚嘆させた明治の文語訳聖書(元訳)の訳文は、原文に忠実な訳を目指す力と聖典に相応しい文体を目指す力とが調和した名訳である。本書は、文語訳は漢訳の書き下し文にすぎないとする通説を否定し、独自の和漢混交文体に外国語の翻訳によって生まれた表現などを取り込んだ、新しい文体によって書かれたものであることを明らかにする。

目次

凡例
まえがき

前篇 訳文の研究
序 章 ヘボン訳福音書の成立
Iヘボンの翻訳法
1ヘボン訳福音書の成立
2通説への疑問
3ヘボン訳の具体的検討
【ヘボン訳福音書に見える漢語(字音語)一覧】
II訳語と文体の特徴
はじめに
1ヘボン訳福音書全体に特徴的な語・語形・語法
a過去の助動詞「き」の連体形「し」による文の終止
b音便形
c接続詞(論理的関係を示す)
d形容詞連体形の名詞用法
2その他の注目しておきたい語
2―1 奥野の使用語と思われる訳語
aキリシト
bサタナ
2―2 ヘボンの考えによると思われる訳語
aクチアヒ(接吻)
b契約
3新文体の萌芽
 a抽象名詞を擬人化したもの
b「……するところの〜」
まとめ
III 時刻名の改訂
1原典・英訳・漢訳の時刻表示
2ヘボン以前の和訳聖書における時刻名
3ヘボン訳の時刻名
a『馬可傳』(1872刊)の時刻名
b『約翰傳』(1872刊)の時刻名
c『馬太傳』(1873刊)の時刻名
d『路加傳』(1875刊)の時刻名
4ヘボン訳その後
a明治元訳(委員会訳)の時刻名
b原典主義の時刻訳
おわりに
第一章 委員会訳新約全書の成立
I翻訳委員会での議論
1テキストの問題
2翻訳文体の問題
II委員会訳福音書とヘボン訳
1委員会訳福音書の刊行
2ヘボン訳と委員会訳との関係
3森岡説への疑問
4委員会訳と漢訳聖書との関係
5委員会訳とヘボン訳との対照
マルコ伝/マタイ伝/ルカ伝
III福音書以外の書の翻訳法
1明治九年(一八七六)刊「希伯来書」(ヘボン)
2明治十年(一八七七)刊「使徒行傳」(ブラウン)
3明治十年(一八七七)刊「約翰書第一書」(グリーン)
第二章 委員会訳旧約全書の成立
I『旧約全書』刊行までの経緯
1フルベッキの講演
2日本翻訳委員の参加の経緯
3分冊の刊行
4日本翻訳委員の関わり方
II外国人による草稿の特徴
A「旧約聖書創世記第一二三章」(タムソン訳)
1―1第一章の訳文/1―2第一章の検討
2―1第二章の訳文/2―2第二章の検討
3―1第三章の訳文/3―2第三章の検討
まとめ
B「約拿書」「哈基書」「馬拉基書」(パイパー訳)
 「約拿書」/「哈基書」/「馬拉基書」
C「約書亜書」(フアイソン訳)
付 ファイソンの明治十六年刊の訳書の訳文について
「撒母耳前書」/「撒母耳後書」/「列王紀略上」
III日本人による草稿の特徴
はじめに
A「以西結書」(井深梶之助起稿 ヘボン訳)
B「西番雅書」(井深梶之助起稿 ヘボン訳)
C「以士帖書」(植村正久起稿 フアイソン・ヘボン訳)
IV日本人が完成まで関わった訳文の特徴
はじめに
A「哀歌」(フルベッキ・ヘボン・井深梶之助訳)
1原文の修辞
2当時の日本における韻文
3元訳と英訳との関係
4元訳と漢訳との関係
5元訳以後
B「以賽亜書」(フアイソン・植村久正訳)
1文学的な元訳と原文に忠実な口語訳
2第40章の元訳の分析
【第40章の原文・英訳・漢訳】
C「詩篇」(フルベツキ・松山高吉・植村正久訳)
1フルベッキと「詩篇」
2内容と文体の即応
3上田敏が名訳として挙げた詩
3―1「涙とともに播くものは歓喜とともに穫らん」(第百二十六篇)
3―2「衛士があしたを待にまさり」(第百三十篇)
3―3「貴きあぶら鬚にながれ、アロンの鬚にながれ」(第百三十三篇)
おわりに
第三章 ヘボン訳「箴言」の初訳と改訳―委員会訳の用字・用語・文体―
はじめに
1初訳と改訳に共通する特徴
2改訳で変わったもの

後篇 訳語の研究
第一章 「愛」―「雅歌」の用例から―
はじめに
1アハヴァーの「愛」とドディーの「愛」
2委員会訳の試み
3「愛のおのづから起るときまでは」
4新約聖書の「愛」と旧約聖書の「愛」
おわりに
第二章 「聖霊(せいれい)」と「霊魂(たましひ)」
はじめに
Iプネゥマに対する訳語
1ヘボン訳福音書のプネゥマに対する訳語
2プネゥマに対するヘボン訳と英訳と漢訳および元訳との関係
a真実の霊に対するヘボンの訳語
b悪しき霊に対するヘボンの訳語
3ヘボン訳以前と以降の訳語
IIプシュケーに対する訳語
1ヘボン訳福音書のプシュケーに対する訳語
2ヘボン訳と英訳と漢訳および元訳との関係
第三章 「栄光」
Iヘボン訳における「栄光」の初出
はじめに
1聖書における「栄光」とその初出
2欽定英訳の福音書におけるglory
3gloryに対応するBC訳
4gloryに対応するヘボン訳
5BC訳とヘボン訳との対照
6「天上ところには栄光神にあれ」
7『和英語林集成』における「栄光」と「栄華」
8和訳聖書における「栄華」
おわりに
II大正改訳における「栄光」の確立
1BC訳の「栄光」
2委員会訳(元訳)の「栄光」
3大正改訳『新約聖書』の「栄光」
4和訳聖書における「栄光」使用の拡大
5大正改訳における「栄光」の使用意識
6「栄光」から「栄光」へ
おわりに
付論 奥野昌綱訳『真理易知』について
はじめに
1ヘボン訳『真理易知』について
2初版本と再版本の訳文の比較
一章
九章
3引用されている漢訳聖書について
4ヘボン訳福音書と奥野昌綱

あとがき
初出一覧
索引(聖書・新聞雑誌・書名・人名)

著者略歴

一九四九年 福岡県に生まれる
一九七五年 同志社大学大学院文学研究科修士課程修了
現在 同志社女子大学名誉教授
   一般財団法人新村出記念財団理事 博士(文学)
【主要著書】『古代の基礎的認識語と敬語の研究』(和泉書院、二〇〇五年)、『日本植物文化語彙攷』(和泉書院、二〇一四年)、『蘭書訳述語攷叢』(和泉書院、二〇一五年)、『日本鉱物文化語彙攷』(和泉書院、二〇一八年)『漢字の復権』(日中出版、一九八八年)、『「天道溯原」を読む』(共編著、かもがわ出版、一九九六年)など。

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