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ISBN:978-4-7576-0858-0 C3395

へいあんちょうかんぶんがくこうちん

研究叢書490 平安朝漢文学鉤沈

定価(税込) : ¥12,420
表紙 著作者よみ : みきまさひろ 
著者名 : 三木雅博 著著書を検索
出版社 : 和泉書院 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2018年1月15日
ジャンル : 韻文 - 中古
判型A5/456頁
日本の漢文学は、中国の古典文学と同じように漢字・漢文を用い、中国の文学を意識しながら、日本人が作り上げた文学である。中でも平安時代の漢文学は、『詩経』から始まり『文選』を経て、さらに『白氏文集』を含む中・晩唐に到る幅広い中国文学を吸収した上で、中国の文学作品と渡りあえる作品を生み出しており、日本漢文学史上の最初の画期と言ってよい。しかも平安時代には、仮名による表記が普及し、仮名で書かれた日本語による和歌や物語などの文学も高度に発達を遂げ、漢文学と仮名文学とが互いに影響しながら並行して行われるようになっていた。本書はこのように複雑な状況の下で作成された平安時代の漢文学が持つ面白さを様々な視点から追究し、それらを〈平安朝漢文学と白詩圏の文学〉〈平安朝漢文学と中・晩唐文学〉〈詩と歌の交感〉〈菅原道真の文学活動〉〈幼学の世界と平安朝漢文学〉の五つの主題の下に収めたものである。

目次


I 平安朝漢文学と白詩圏の文学
 1 紀長谷雄の「山家秋歌」をめぐって――白詩享受の一端――
  一、紀長谷雄「山家秋歌」と「草堂詩」
  二、菅原道真の「僧房屏風図」詩と「白氏草堂詩」
  三、宇多・醍醐朝以前の「白氏草堂詩」享受
  四、道真・長谷雄の作品における「白氏草堂詩」引用の特徴
  五、「山家秋歌」と『古今集』の和歌
  六、『白氏文集』の和様化
 2 嶋田忠臣と白詩
  はじめに
  一、「詩媒」―嶋田忠臣における白詩享受のあり方―
  二、嶋田忠臣詩における白詩享受の実態(一)―「禁中瞿麦花」「夏日納涼」詩の表現を通して―
  三、嶋田忠臣詩における白詩享受の実態(二)―新しい題材の発見―
  終わりに
 3 平安朝文人と『白氏文集』――どう向きあい、どう用いたか――
  一、東アジアにおける『白氏文集』の伝播と日本
  二、平安朝文人による『白氏文集』耽読
  三、〈詩媒〉の獲得と実作への応用
  四、貴顕と『白氏文集』―関白基経の白詩句吟誦―
  五、白詩の耽読→〈詩媒〉の抄出→〈詩媒〉の蓄積へ
  六、題材・表現・語彙以外にも『白氏文集』はさらに多くのものを文人たちに提供した
 4 平安朝における「劉白唱和集解」の享受をめぐって――文人たちの作品と『仲文章』――
  はじめに
  一、「劉白唱和集解」の内容
  二、平安朝の文人たちと「劉白唱和集解」
  三、『仲文章』における「劉白唱和集解」の引用とその意義
  終わりに
II 平安朝漢文学と中・晩唐文学
 1 中国晩唐期の唐代詩受容と平安中期の佳句選――顧陶撰『唐詩類選』と『千載佳句』『和漢朗詠集』――
  はじめに
  一、『唐詩類選』に注目する理由
  二、『唐詩類選』序・後序に挙げられた唐代詩人と『千載佳句』の唐代詩人の比較
  三、『唐詩類選』と『千載佳句』『和漢朗詠集』―『和漢朗詠集』博士家写本に見える逸文をめぐって―
  終わりに
 2 菅原道真の「端午日賦艾人」詩と唐人陳章の「艾人賦」――平安朝における唐代律賦受容の一端――
  はじめに
  一、道真の「端午日賦艾人」詩と『荊楚歳時記』に見える「艾人」
  二、「艾人賦」の紹介
  三、道真「端午日賦艾人」詩における「艾人賦」の受容
  終わりに
III 詩と歌の交感
 1 『文華秀麗集』『経国集』の「雑詠」部についての覚書――その位置づけと作品の配列をめぐって――
  はじめに
  一、『文華秀麗集』『経国集』の部門の配列と「雑詠」部
  二、「雑詠」とは何か
  三、『文華秀麗集』『経国集』の「雑詠」部の実際
  四、「雑詠」部の由来・その意義など
 2 嶋田忠臣と在原業平――漢詩が和歌を意識し始めた頃――
  はじめに
  一、藤氏の栄華―「藤」によせた詩と歌―
  二、月を留める―「天柱を峙たしめ」と「山の端逃げて」―
  三、「春心」の懊悩―酔中、花を惜しむ―
  終わりに
 3 漢詩文と『古今集』――万葉から古今に至る〈香〉の世界の展開と漢詩文――
  はじめに
  一、上代韻文学の〈香〉の世界―「五月待つ……」歌の発想基盤の生成―
  二、勅撰三漢詩集の〈香〉の世界
  三、『古今集』における〈香〉の世界の展開
  終わりに
4 〈香〉と視覚――『古今集』前夜における詩と歌の交感――
  はじめに
  一、菅原道真の「月夜見梅花」詩をめぐって
  二、「見えない」ことへのこだわり―詠み人知らず歌の〈香〉から六歌仙・撰者時代の〈香〉へ―
  三、道真詩、『新撰万葉集』詩における〈香〉の「見立て」―『古今集』撰者たちの時代に―
  終わりに
IV 菅原道真の文学活動
 1 『菅家文草』――その成立・伝来など――
  はじめに
  一、『菅家文草』の成立
  二、『菅家文草』の構成と内容
  三、『菅家文草』の伝来
  終わりに
 2 「行春詞」札記――讃岐守菅原道真の国内巡視――   *谷口真起子氏と共同執筆
  はじめに
  一、「行春」とは何か
  二、「行春詞」読解
  終わりに
 3 菅原道真「讃州客中詩」の形成と「詩人無用」論
  はじめに
  一、「讃州客中詩」の中の二つの流れ―先行研究における位置づけ―
  二、「讃州客中詩」と「詩人無用」論の関係―「行春詞」を例に―
  三、なぜ道真は帰京後、在地社会を詩に詠むことをやめたのか
  終わりに
 4 「舟行五事」札記
  はじめに
  一、「宿舟中」詩再読
  二、「舟行五事」再読
  三、「舟行五事」詩の位置づけ
V 幼学の世界と平安朝漢文学
 1 下層官吏層の〈学文〉と文学活動――その実態と展開について――
  はじめに
  一、『那須国造碑』の文章と『仲文章』の文章
  二、下層官吏層の〈学文〉について
  三、下層官吏層の〈学文〉の基盤と、その〈学文〉が生み出した作品について
  四、院政期から鎌倉期にかけて、彼ら下層官吏層の〈学文〉が文学史にどのように関わってくるのか
 2 『仲文章』に関する二・三の考察――『和漢朗詠註抄』所引『代讃章』佚文との関連から――
  はじめに
  一、『和漢朗詠註抄』所引『代讃章』佚文について
  二、『仲文章』の「仲文」と『代讃章』の「代讃」
  三、『仲文章』『代讃章』の「章」について
  終わりに
 3 教訓書『仲文章』の世界――平安朝漢学の底流――
  はじめに
  一、教訓書としての基盤―本邦撰述の教訓書との関連―
  二、表現の特色―地方の出来事を報告する文章との関連―
  三、典拠の出処―『仲文章』と『注好選』―
  四、文飾を持った教訓書―和歌的表現と『仲文章』―
  五、大江匡房の漢文表現と『仲文章』
  六、『仲文章』が対象とした人々
  七、『仲文章』の書名について
  八、『仲文章』の作者とその成立をめぐって
  終わりに
 4 『童子教』の成立と『三教指帰』
  はじめに
  一、『童子教』の勧学部と『三教指帰』
  二、『童子教』の孝養部と『三教指帰』
  三、勧学部・孝養部以外の『童子教』章句と『三教指帰』
  終わりに
 5 『口遊』所引の中国の占雨誦句と大江匡衡の賀雨詩序の「東方朔之前言」
  はじめに
  一、『口遊』乾象門の占雨の諺をめぐって―中国の文献に見える占諺とのかかわり―
  二、大江匡衡の「賀雨」詩序の「東方朔之前言」と『口遊』の占雨の誦句
  三、「東方朔之前言」をめぐって―逸書『東方朔書』との関連について―
  四、占雨の諺と為政者たち―まとめに代えて―

索引
事項索引
書名索引《中国・日本》
作品名索引《中国・日本》
和歌索引
人名索引《中国・日本》

著者略歴

一九五四年、和歌山県和歌山市生。
大阪市立大学大学院後期博士課程単位取得退学。博士(文学)。
梅花女子大学教授。
〔専攻分野〕日中比較文学、平安朝文学。
〔主著〕『和漢朗詠集とその享受』(勉誠社、一九九五年)、『平安詩歌の展開と中国文学』(和泉書院、一九九九年)、『紀長谷雄漢詩文集並びに漢字索引』(和泉書院、一九九二年)、『和漢朗詠集 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫、二〇一三年)・・・以上単著。
『上野本 注千字文注解』(和泉書院、一九八九年)、『諸本集成 仲文章注解』(勉誠社、一九九三年)、『口遊注解』(勉誠社、一九九七年)、『孝子伝注解』(汲古書院、二〇〇三年)、『太公家教注解』(汲古書院、二〇〇九年)、『菅家文草注釈 文章篇 第一冊』(勉誠出版、二〇一四年)、『和漢朗詠集古注釈集成 第一巻』(大学堂書店、一九九七年)・・・以上共著。

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