書籍検索HOMEへ

検索結果

ISBN:9784766422429 C3033

しんりんしげんのかんきょうけいざいし

森林資源の環境経済史 - 近代日本の産業化と木材

定価(税込) : ¥4,950
表紙 著作者よみ : やまぐち あすか 
著者名 : 山口 明日香 著著書を検索
出版社 : 慶應義塾大学出版会 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2015年10月27日
ジャンル : 経済一般
判型A5/320頁
▼環境経済史のフロンティアを拓く!
経済学は、長く自然環境を所与の要件ととらえ、資源・環境制約を十分に意識してこなかった。しかし、公害問題や環境変動問題の深刻化は、人間の経済活動が厳しい環境制約のもとにあることを我々に思い知らせた。こうした反省から生まれたのが「環境経済学」である。
 そのなかでも「環境経済史」は環境史、公害史、社会史研究の影響を受けつつ発展してきた新しい分野であり、経済と環境との関係を歴史的に解明しようとする。
 新進気鋭にして木材資源研究のスペシャリストによる、環境経済史の新たな扉を開いた画期的研究。
▼“木材”から日本経済の近代化を考える。
本書は、木材資源を軸に、経済史、経営史、産業政策史、そして環境史研究を接合し、資源の流通・再生産過程から経済活動を捉える。とくに、貴重な一次資料、詳細な数量データをもとに、鉄道、炭鉱、電信、製紙など、日本の近代化における産業・情報インフラの整備に投入された木材資源に着目することで、日本の森林資源と産業化との関係性を明らかにし、持続可能な経済社会のあり方を歴史から問い直す。
 明治以降の急速な産業化のなかで、各企業・政府が資源の確保・再生産に取り組みながらも、戦時経済に突入するなかで資源の枯渇に直面していく過程を鮮明に描き出した力作。

目次

序 章 産業化と木材
―― 課題と分析アプローチ
 1 環境史研究の現在
 2 日本の産業化と木材
 3 課題と構成

第1章 木材市場のマクロ的検討
 1 需要市場の構造
 2 供給市場の構造

第2章 鉄道業の発展と枕木
 1 枕木消費量の推移
 2 枕木市場の拡大
 3 木材需要の増大と枕木価格の高騰:第一次世界大戦期
 4 適材不足と使用樹種の多様化:1920〜32年
 5 適材不足の深刻化:1933〜37年

第3章 電信事業の発展と電柱
 1 電柱消費量の推移
 2 硫酸銅注入電信柱の利用の拡大
 3 電信価格の高騰:第一次世界大戦期
 4 クレオソート注入電信柱の利用の拡大:1920〜32年
 5 電柱用材不足の深刻化:1933〜37年

第4章 九州炭鉱業の発展と坑木
 1 出炭量と坑木消費量の推移
 2 坑木市場の拡大
 3 坑木価格の高騰:第一次世界大戦期
 4 合理化の推進と坑木消費量の減少:1920〜32年
 5 坑木不足の深刻化:1933〜37年

第5章 北海道炭鉱業の発展と坑木
 1 坑木供給の多様化
 2 坑木価格の高騰:第一次世界大戦期
 3 合理化の推進と山林買収・造林事業:1920〜32年
 4 坑木不測の深刻化:1933〜37年

第6章 製紙業の発展とパルプ用材
 1 洋紙・パルプ生産量のパルプ用材消費量の推移
 2 年期契約区域の拡大
 3 パルプ需要の急増と年期契約区域の拡大
 4 年期契約区域の不安定化:1920〜32年
 5 パルプ用材市場の拡大:1933〜37年

第7章 戦時統制期の木材利用
 1 戦時統制期の資材問題:木材と鉄鋼材
 2 鉄道・炭鉱・製紙業における資材利用

終 章 経済と環境

著者略歴

山口 明日香<br>名古屋市立大学経済学部専任講師<br>略歴:2003年慶應義塾大学経済学部卒業、2005年中央大学大学院経済学研究科前期博士課程修了、2011年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。2007〜2008年慶應経商連携21世紀COEプログラム研究員(RA)、2008〜2013年慶應−京都連携グローバルCOE研究員(RA→2011年よりPD)、2011年慶應義塾大学通信教育部非常勤講師、2014年4月より現職。<br>専攻は日本経済史<br>業績:『日本石炭産業の衰退 ―― 戦後北海道における企業と地域』(分担執筆、杉山伸也・牛島利明編、慶應義塾大学出版会、2012年)、「戦前期日本の製紙業における原料調達」(『三田学会雑誌』105巻2号、2012年)、「戦前期日本の鉄道業における木材利用 ―― 国有鉄道の枕木調達を中心に」(『社会経済史学』76巻4号、2011年)、「戦前期日本の炭鉱業における坑木調達 ―― 産業化と木材利用」(『社会経済史学』73巻5号、2008年)など。

このページのトップへ