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ISBN:9784560084649 C0095

ゆいごん

遺言 - 愛しき有田へ

定価(税込) : ¥2,970
表紙 著作者よみ : さかいだ かきえもん 
著者名 : 酒井田 柿右衛門(14代目) 著著書を検索
出版社 : 白水社 近刊を見る】【新刊を見る
発売日 : 2015年9月26日
ジャンル : 随筆・エッセー
判型四六判/215頁
遺言 愛しき有田へ

伝統工芸の危機を乗り越えるために
 本書は、伝統工芸の危機を乗り越えようと、有田焼の人間国宝が死を目前に遺した、絞り出すような叫びと提言にあふれている。
 ここ数十年、有田の町から次第にロクロの音が聞こえなくなり、その代わりにオイルの臭いが漂い、機械の音が響いている。それは焼きものの伝統を継承していくということが、有田の町でも非常に困難になっていることを意味している。
 まず焼きものの原材料を整える人がいなくなり、有田泉山の扱いにくい石が使われなくなった。また有田泉山の石を脱鉄するために一年も二年も時間をかけて土にする手間を惜しむようになった。
 塩分を抜くために、薬を使うようになった。しかしそれは、焼きものに必要な不純物まで取り去ってしまうので、色絵の絵の具がピンと付かなくなる……。
 著者は合理性と非合理性は車の両輪のようなもので、これらの微妙な感じが伝統工芸の質を左右する重要な鍵であると強調する。
 「作家ではなく職人になれ」「美は手から生まれる」といった著者のことばは、焼きものの領域を超え、すべての伝統芸術にあてはまる名工の至言として読者の心に響いてくるだろう。

著者略歴

1934〜2013年。2001年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。著書に『余白の美 酒井田柿右衛門』(集英社新書)。

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