話言葉の文法 言葉遺篇 意に對してもここに厚く感謝する次第です。 昭和十六年十一月一日 西多摩、南秋川溪谷の寓居にて 三尾 砂 話言葉の文法(言葉遣篇) 目次 一、緒論 一 話言葉の文法(一)―言葉づかひ(五) 二、場と言葉づかひ 八 場(九)―場と言葉づかひ(三)―話言葉と書言葉(一五) 三、言葉づかひの構造と文體 一七 言葉づかひの構造(一七)―言葉づかひと敬語法(二〇)―文體(二一)―文體の種類(二三)―話言葉の文體と書言葉の文體(二八) 四、品詞と文の成分の概説  三五 九品詞(三五)―動詞(三七)―形容詞(三七)―助動詞(四〇)―助詞(四一)―文の成分(四四) 五、文體形と活用形 五〇 文體、文體形、文體性(五〇)―文體形の構造と活用形(五三) 六、話言葉における動詞 その一 五五 動詞の活用(五五)―(一)動詞の打消形(六五)―「ない」の活用(六六)―「ぬ」の活用(七〇)―(二)動詞の造語形(七五)―造語形からの打消(七七)―書言葉における中止(七八)―(三)動詞の基本形(八一)―基本形の本質(八三)―基本形が終止部に用ひられる場合(八五)―基本形が終止以外に用ひられる場合(九二) 七、話言葉における動詞 その二 九四 (四)動詞の假定形(九四)―(五)動詞の命令形(九九)―(六)動詞の推量形(一〇〇)―(七)動詞の中止形(一〇七)―(1)造語の中止形(一〇九)―(2)中止の中止形(一一四)―(3)條件の中止形(一二〇)―「ても」の場合(一二五)―(4)関係設定の中止形(一二六)―(5)形容語としての中止形(一二八)―(6)女言葉の中止形(一三〇)―(八)動詞の●去形(一三一) 八、話言葉における形容詞 一三七 (一)基本形の語尾が「い」で終る形容詞(一三八)―副詞形(一三八)―基本形(一三九)―假定形(一四一)推量形(一四二)―中止形(一四三)―過去形(一四五)―音便形と「かり」形(一四六)―「よさ」(一四七)(二)「い」形容詞の「ない」(一四八)―「い」形容詞「ない」の活用(一四八)―副詞形(一四九)―基本形(一五〇)―「なし」(一五二)―假定形(一五三)―推量形(一五三)―中止形(一五四)―「かり」形(一五六)―「なさ」(一五六)―(三)基本形の語尾が「な」で終る形容詞(一五九)―「な」形容詞の活用(一五九)―「やう」へつづく「な」形容詞の形(一六三)―「い」形容詞との相違點(一六四)―(四)基本形の語尾が「の」で終る形容詞(一六四) 九、「だ」 一六八 「だ」の活用(一六八)―連體形「な」(一六九)―連體形「な」の代用の「の」(一七三)―假定形「なら」(一七五)―「なればこそ」(一七八)―推量の「だらう」(一七九)―挿入文の「だらう」(一八二)―提示の「だらう」(一八四)―中止形「で」(一八六) 一〇、「だ體」 一九一 「だ體」(一九一)―「だ體」の用ひられる場面(一九三)―(イ)獨りごとの場合(一九三)―(ロ)目下の場合(一九四)―(ハ)親しい間柄の場合(一九六)―「だ」の機能(一九七)―「だ」の用ひかた(二〇〇)―疑問文中の「だ」(二〇二)―「だ體」中の「である」形(二〇三)―文體と接續詞の呼應(二〇七)―「だ體」中の「です體」「ございます體」(二一二) 一一、「です體」 二一五 「です體」(二一五)―「です體」中の「だ體」(二一七)―「です體」での發問のしかた(二二一)―「です體」の外形上の特徴(二二三) 一二、「です」 二二五 (一)基本形「です」(二二六)―(二)推量形「でせう」(二三一)―「ませう」と「でせう」(二三一)―提示の「でせう」(二三六)―(三)中止形「でして」(二三七)―半終止の「でして」(二三九)―(四)過去形「でした」(二四三) 一三、「ます」 二四六 「ます」の活用(二四六)―打消形「ません」(二四七)―基本形「ます」(二四七)―假定形「ますれば」と「ませば」(二四八)―命令形「まし」と「ませ」(二四九)―推量形「ませう」(二五〇)―中止形「まして」(二五一)―●去形「ました」(二五二) 一四、「ございます」 二五三 動詞の「ございます」(二五三)―準助動詞の「(…て)ございます」(二五五)―助動詞の「でございます」(二五六)―形容詞のウ音便に附く「ございます」(二六〇)―「ございます」の活用(二六一) 一五、文の内部における丁寧さの表現 二六四 丁寧な言葉づかひの要素(二六四)―文の内部における丁寧さの表現(二六五)―用言の種類と「です體」形化(二七〇)―用言が「です體」形になる場面(二七二) 一六、接續部における「です體」形 その一 二七七 「です體」形と接續助詞(二七七)―ていねいさの表現から見た接續助詞の順位(二七九)―「が」(二八五)―「けれども」(二九一)―「から」(二九三)―「から」の四つの用法(二九五)―(1)接續部の「から」(二九八)―(2)半終止の「から」(二九八)―(3)「です」などへつづく「から」(二九九)―(4)「からといつて」「からつて」およびそれに類する用法の場合(四〇〇)―「もんだから」「もんですから」(三〇二)―「もんでございますから」(三〇七)―「もんで」(三〇七)―「し」(三〇九) 一七、接續部における「です體」形 その二 三一一 「ので」(三一一)―(1)「の」に格助詞の「で」の附いたもの(三一一)―(2)「のだ」の中止形の「ので」(三一二)―(3)接續助詞の「ので」(三一四)―「のに」(三一六)―「と」(三一八)―(1)つねに用言の推量形に附く「と」(三一九)―(2)つねに用言の現在をあらはす活用形に附く「と」(三一九)―(甲)動詞の基本形、および「ます」に「と」の附いた場合(三二五)―(乙)「い」形容詞の基本形などに「と」の附いた場合(三二八)―「ら」(三二九)―「なら」(三三五)―「もの」(三三六)―「ございます體」の接續部における「です體」形(三三九) 一八、半終止と文體 三四一 半終止(三四三)―接續部における準半終止(三四六) 一九、連體部における「です體」形 三四八 連體部の文體形(三四八)―連體部における「です體」形化の準據(三五五)―(イ)連體部の「です體」形用言(三五六)―(ロ)連體部の體言(三五九) 二〇、敬讓語における丁寧さの表現 その一 三六二 敬讓語(三六二)―敬讓語の構成(三六五)(1)敬讓の單語(三六六)―(イ)尊敬の動詞(三六七)―「あがる」「めしあがる」(三六七)―「いらつしやる」(三六八)―「みえる」(三六八)―「なさる」「あそばす」(三六九)―「やすむ」「およる」(三七〇)―「めす」(三七一)―「おつしやる」(三七二)―「おぼしめす」(三七二)―「くださる」(三七二)―(ロ)謙譲の動詞(三七二)―「いただく」(三七二)―「まゐる」(三七三)―「いたす」(三七三)―「ふせる」(三七四)―「でる」(三七四)―「あがる」(三七五)―「うかがふ」(三七五)―「うけたまはる」(三七五)―「かしこまる」(三七六)―「をる」(三七六)―「あげる」「さしあげる」(三七七)―「ぞんずる」「ぞんじあげる」(三七七)―「まうす」「まうしあげる」(三七八)―「あふぐ」(三七八)―「あづかる」(三七九)―「かふむる」(三七九)―(ハ)丁寧語(三八〇) 二一、敬讓語における丁寧さの表現 その二 三八一 (2)敬讓の助動詞と準助動詞(三八一)―(イ)敬讓の助動詞(三八一)―「れる」「られる」(三八一)―「でいらつしやる」(三八三)―(ロ)敬讓の準助動詞(三八四)―(a)尊敬の準助動詞(三八五)―「いらつしやる」(三八五)―「なさる」「あそばす」(三八五)―「なる」(三八七)―「くださる」(三八七)―(b)謙讓の準助動詞(三八八)―「いただく」(三八八)―「まゐる」(三八九)―「いたす」(三九〇)―「をる」(三九一)―「あげる」「さしあげる」(三九二)―「まうす」「まうしあげる」(三九二)―「ごらんなさる」「ごらんになる」(三九三)―「れる」(「られる」)「なさる」「(に)なる」「あそばす」における丁寧さの順位(三九四) (3)接辭の添加(三九六)―(イ)接頭辭の添加(三九六)―「お」(三九六)―「ご」(三九八)―「おみ」(三九八)―「相」(三九八)―(ロ)接尾辭の添加(三九九)―(ハ)接頭辭と接尾辭との添加(四〇〇) 禮法要項(言葉遣の項)(四〇一) 二二、女言葉 四〇二 女言葉(四〇二)―(1)女言葉の中止形(四〇四)―(2)終助詞、間投助詞その他(四〇七)―「わ」(四〇九)―「の」(四一一)―「こと」(四一三)―「もの」(四一五)―「よ」(四一五)―「ね」(四一九)―「な」(四二二)―女言葉と文體(四二六) 復刊にあたっての追加目次 解題 古田東朔 431